株式会社日本触媒 「エポクロス®RPS-1005」
・「エポクロス®RPS-1005」は、ポリスチレン主鎖の側鎖にオキサゾリン基を有する反応性ポリマーです(オキサゾリン基は、カルボキシル基、フェノール性OH基および芳香族チオール基などと反応します)
・「エポクロス®RPS-1005」は、主鎖のポリスチレンと側鎖の反応性のオキサゾリン基の特徴を活かし、下記代表的用途などで特徴を発揮します。
(1)樹脂アロイ用相溶化剤:主鎖のポリスチレンがPPS、PPE、各種PS系ポリマーと相溶することにより、側鎖のオキサゾリン基と反応性を有する官能基を持つ各種ポリマーを前記ポリマー類と相溶化させ、アロイ化することが可能です。また、ABS、AS、PA、PCなどと相溶するAS主鎖タイプの開発品(RA-45)もございます。
(2)低誘電化改質剤:ポリスチレン主鎖の低誘電率(低Df、低Dk)を活かし、銅張積層板(特にミドルロス領域)用樹脂を低誘電化し、側鎖オキサゾリン基の極性により、銅箔密着性の低下も抑制できます。
(3)高分子架橋剤:ポリマー側鎖に架橋反応するオキサゾリン基があるため、架橋後の架橋点間距離が長く(低分子架橋剤と比較して)、伸び、破断エネルギーが大きく、柔軟で、耐衝撃性が良好な架橋構造をつくることができます。
・各種用途には、実際の検討に役立つ技術資料もありますので、具体的な検討の前に、是非、事前打合せなどご相談下さい。
エポクロス®RPS-1005
製品名 | はたらき | 用途 |
---|---|---|
エポクロス®RPS-1005 |
相溶性、低誘電率化、架橋 |
各種部品、フィルム用アロイ、 |
樹脂相溶化剤
① 相溶化剤としての作用機構 (例:PPSと酸変性ポリオレフィンゴム)
エポクロスRPSは、その主鎖構造のポリスチレンと相溶する樹脂(PPS、PPE、HIPS、PSなど)を「海」とした際、側鎖に有するオキサゾリン基と反応する官能基(カルボキシル基、フェノール性水酸基、芳香族チオール基など)を有する樹脂(PET、PBT、PLA、PA、酸変性PP、PC、PPSなど)を「島」としたアロイの相溶化剤として機能する能力を有します。
●使用例
PPSの耐衝撃性を改良するために、PPSと耐衝撃性改質樹脂(酸変性オレフィンゴム)の相溶化剤としてRPS-1005を配合すると、RPS-1005のスチレン側鎖とPPSが相溶し、耐衝撃性改質樹脂のCOOH基とオキサゾリン基が反応することで性能が向上します。
② 製品と開発品の性状
※開発品のサンプル提供可能量についてはお問い合わせください。
低誘電率化改質剤
① 特徴:CCL樹脂層に添加することで低誘電率化と銅箔との密着性改善が期待できます
② 性状
③ 密着性:オキサゾリン基やアミドエステル結合は、基材表面の官能基と相互作用や反応により、密着性改善に寄与します。
④ 反応性:オキサゾリン基はCOOH基やフェノール性OH基との反応が最も有効です。
オキサゾリン基とCOOH基と反応した場合、アミドエステル結合を形成し、エポキシ基とCOOH基が反応した場合のようなOH基を生成しないので低誘電率が維持できます。